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アジソン病という内分泌疾患があります。原発性の慢性副腎不全は1855年英国の内科医であるThomas Addisonにより初めて報告された疾患であることから、そう呼ばれています。この病因には 先天性のものと後天性のものが存在しますが、アジソン病は今は後天性の成因による病態を指します。
さて、このアジソン病の患者さん家族からある質問をうけました。アジソン病ってほかのホルモン関係の病気を併発するそうですねと。
たしかに多発性内分泌腫瘍(MEN)というのはあったが、アジソン病だったかな?と思い、もう一度調べ直してみると、アジソン病ではなかった。まれな疾患群で私はお目にかかったことがない。ここでMENの復習をしておきます。
MENは複数の内分泌臓器および非内分泌臓器に 異時性に良性、悪性の腫瘍が多発する症候群です。MEN1とMEN2の2疾患があり、MEN1では副甲状腺機能亢進症、下垂体腺腫、膵消化管内分泌腫瘍が三大病変であり、MEN2は甲状腺髄様癌、副腎褐色細胞腫、副甲状腺機能亢進症が三大病変で、MEN2Bとよばれる亜型では眼瞼や口唇、舌に粘膜神経腫を合併します。(難病情報センターホームページより)これら内分泌が関係する臓器なのですが、アジソン病ではありませんでした。
次回はアジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)の病因から、関連するほかのホルモン異常へと話を広げていこうと思います。
田中江里
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